読書感想文を書くために読む本、読書の時間に読む本。
本を選ぶのって意外と難しいですね。
今回は中学生のみなさんが本を選ぶ際の参考になればと、最近話題の人気の本から、私が実際に読んで良かった本まで、文庫本で読めるおすすめの本をランキング形式で7冊紹介します。
本当に面白いと思える本に出会ったときには、読む手が止まらないもの。
通学時間や休み時間などの空いた時間に、文庫本を手に取って読んでみてくださいね。(2019年4月20日更新)
- 【第1位】夜のピクニック(恩田陸)
- 【第2位】あと少し、もう少し(瀬尾まい子)
- 【第3位】億男(川村元気)
- 【第4位】羽生結弦 王者のメソッド(野口美惠)
- 【第5位】羊と鋼の森(宮下奈都)
- 【第6位】和菓子のアン(坂木司)
- 【第7位】ランチのアッコちゃん(柚木麻子)
- まとめ
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【第1位】夜のピクニック(恩田陸)
皆さんの学校で思い入れのある学校行事は何ですか?
北高には、生徒たちの間で修学旅行以上に思い入れがあるとも言われる学校行事があります。
それは1年に1度、80kmの長距離をただひたすら歩き続ける歩行祭。
仮眠や休憩を取りながら夜も含め丸1日歩く歩行祭は、楽しくもあり辛くもあります。
高校3年生である貴子にとっては、そんな歩行祭に参加するのも今回が最後。
最後の歩行祭の自由歩行を誰と歩くのか、誰と過ごしたいのか。
思い出になる行事だからこそ、生徒たちにとっては誰と歩くのかということは、とても大切な意味がありました。
読み進めるうちに、物語に登場する貴子や融が自分の親友のように思え、さらに自分も北高の生徒になり歩行祭を一緒に経験しているような気持ちになってきます。
中学生の今だけでなく、登場人物と同じ年齢になったとき、そして彼らの年齢を超えたとき、時間をおいて何度も読んで欲しい本。
読書感想文の本にもおすすめです。
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⇒ 読書感想文におすすめの本。恩田陸『夜のピクニック』 - 小学生・中学生の勉強
【第2位】あと少し、もう少し(瀬尾まい子)
性格も走り方もバラバラの生徒たち。
やっとのことでメンバーを集め、大会に出場するための人数がどうにか揃った市野中学駅伝チームでしたが、そのチームをまとめるのは陸上のことも駅伝のこともわからないという未経験の美術教師。
中学生活最後の駅伝大会にかける思いとは裏腹に、なかなか思うような練習ができず陸上部の部長、桝井日向(ますいひなた)は焦ります。
大会までにチームは1つの方向に向かってまとまることができるのか、不安ばかりの市野中学駅伝チーム。
そんな一見バラバラの生徒たちが、部活動を通し少しずつ成長していきます。
中学生のみなさんにとっては、先ほど紹介した『夜のピクニック』よりも登場人物たちと年齢が近くなるので、同じ世代だからわかること、感じることがあると思います。
読書感想文の本にもおすすめです。
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⇒【瀬尾まいこ】おすすめの小説『あと少し、もう少し』 - 小学生・中学生の勉強
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【第3位】億男(川村元気)
弟の残した借金を肩代わりしたことが原因となり、妻と大切なひとり娘と別居することになった一男。
3千万円の返済のため昼間は図書館で、夜はパン工場で、2つの仕事を掛け持ちしながら日々暮らしていました。
30年以上かけて返済する予定の3千万円。
もし、これが一括で返済できるとしたらどうでしょう?
ある出来事がきっかけで思いもしない大金を手にすることになった一男は、不安になり『お金と幸せの答え』を知るため、大学時代の親友、九十九(つくも)に会いに行きます。
そんな一男に、15年ぶりに再会した九十九が教えてくれた答えとは?
一男や九十九を取り巻く人々を通し、自分にとっての幸せは何なのか…考えさせられる小説です。気がつくとストーリーに引き込まれていて、読書が苦手な人でも『面白い』と感想を漏らす人気の本。読書感想文の本にもどうぞ。
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⇒『億男』のあらすじ【読書感想文におすすめの本】 - 小学生・中学生の勉強
【第4位】羽生結弦 王者のメソッド(野口美惠)
フィギュアスケートの男子シングルで、66年ぶりにオリンピックの連覇を成し遂げた羽生結弦選手。
羽生選手の平昌オリンピックでの鳥肌の立つような素晴らしい演技は、今も鮮明に記憶に残っていますが、彼の強さはいったいどこからくるのでしょう。
2011年3月11日午後2時46分。
東日本大震災が起きたこの時間、羽生選手のいた場所は仙台市内のスケートリンクでした。
震度6強の地震にリンクの氷は波打ち、スケート靴を履いたままリンクの外に避難しますが水道も電気もガスも止まり、そこからは生きていくだけで精一杯。
仙台のスケートリンクは当然いつ営業再開されるかもわからない状況に陥ります。
少しでも練習できる環境を求め、神奈川へ…そしてアイスショーへ。
被災者でありながら1人のスケーターでもある羽生選手は、2つの立場の中で葛藤する日々を過ごします。
この本を読むと、羽生選手の現在の活躍の裏には私たちの知らないいくつもの困難があったことにまず驚きます。
そしてその困難を1つ超えるたびに強くなっていく…そんな印象を持ちました。
どんなに辛いときにも逃げずに自分の心と向き合う姿勢。
そして自分を支えてくれる周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れない。
これが羽生選手の強さの秘密。
将来の自分の夢に向かいどのような準備をしていけばよいのか、また困難に立ち向かったときどのように乗り越えていったらよいのか、目標は違っても羽生選手の物事に対する考え方は中学生のみなさんにとっても参考になるはずです。
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【第5位】羊と鋼の森(宮下奈都)
したいこともなく、このままなんとか高校を卒業し、就職先を見つけて生きていければいいと考えていた、17歳の高校生、外村(とむら)。
たまたま先生に頼まれ、高校のグランドピアノの調律に訪れた調律師を体育館まで案内することに。
自分の将来についてビジョンのなかった外村でしたが、この出会いをきっかけに調律の世界に引き込まれることになります。
一歩進むたびに迷いそうになる調律の仕事。
仕事に対する自信は簡単には身につきませんが、投げ出さず諦めず、真摯に物事に向き合うことの大切さ。
どのような仕事についてもおそらく必要になる、このような姿勢を外村は私たちに教えてくれます。
読書を通じ自分の将来についても考えるきっかけになる、読書感想文にもおすすめの本です。
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⇒『羊と鋼の森』のあらすじ【読書感想文におすすめの本】 - 小学生・中学生の勉強
【第6位】和菓子のアン(坂木司)
高校を卒業する時期になってもその先の進路が決まらない杏子(きょうこ)。
自分のやりたいことを見つけるために大学へ行く…そんな考え方もあるけれど、悩んだ末に杏子が決めたのは、アルバイトをしながら将来について考えることでした。
東京百貨店のデパート地下にある和菓子屋さん『和菓子舗・みつ屋』で働くことになった杏子は、様々な目的でお店を訪れるお客様や同僚の仕事仲間と過ごすうち、どのように変わっていくのでしょう。
考え方は人それぞれ。
周りに流されず、自分のペースで将来について考える杏子の姿に共感する人も多いのではないでしょうか。
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⇒『和菓子のアン』のあらすじ【読書感想文におすすめの本】 - 小学生・中学生の勉強
【第7位】ランチのアッコちゃん(柚木麻子)
ひょんなことから職場の上司、アッコ女史のお弁当を作ることになった三智子。
その代わりにアッコ女史から提案されたのは、一週間アッコ女史行きつけのランチコースを回ることでした。
気乗りのしない三智子でしたが、言われた通り月曜日から指定のランチコースを回ります。
カレーの専門店にワゴン車の屋台で飲むスムージー…。
そこで出会った人たちから聞くアッコ女史の姿は、三智子の知る職場でのアッコ女史とはまた違いました。
アッコ女史を取り巻く人たちとの出会い。
約束の一週間が過ぎる頃には、三智子の中で何かが変わりはじめます。
中学生からは大人に見える社会人でも、うまくいかないことや悩むことはあります。
みんなそうして成長していくんですね。
テンポよく話が進み、読むと元気が出てくる小説です。
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⇒【柚木麻子】おすすめの小説『ランチのアッコちゃん』 - 小学生・中学生の勉強
まとめ
今回は中学生におすすめの文庫本をランキング形式で7冊紹介しました。
本を選ぶ際の参考にどうぞ。
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