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【瀬尾まいこ】おすすめの小説『あと少し、もう少し』

信頼していた顧問の先生が異動になり、新しく顧問になったのは陸上のことも駅伝のこともわからないという未経験の先生。

引き締まっていた陸上部の雰囲気は一変し、それまで全員でやっていたグラウンド整備に出てくる部員の数は減ってしまいます。

それに加え、駅伝大会に出場するためのチームの人数もなかなか揃わないという、最悪の事態。

このままでは大会に出場することすら出来ないかもしれません。

そんな年に中学校生活最後の学年を迎えた陸上部の部長、桝井日向(ますいひなた)。

駅伝大会にかける熱い思いとは裏腹に、なかなか練習に集中できる環境は整いません。

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今回は、中学生・高校生の読書感想文の本にもおすすめしたい、瀬尾まいこさんの著書『あと少し、もう少し 』を紹介します。

 

 

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『あと少し、もう少し』のあらすじ

「そうそう、エントリー変更したんだ。」

県の駅伝大会出場をかけた大事なブロック大会当日の朝、競技場に着いた市野中学駅伝チームのみんなを前に、陸上部の顧問、上原先生は突然のエントリー変更を告げます。

部長の桝井をアンカーの6区に。

これが陸上部の顧問であり、監督でもある上原先生の出した結論でした。

今年に入ってから調子が悪く、記録も伸び悩んでいた桝井。

一番大事な場面で力の出ない桝井は、自分では最後の6区は務まらないと、以前にも先生に伝えていたはずでした。

大事なのは勝つこと。

苦労の末、やっとのことでメンバーを集めた桝井は、

このチームで県大会に行きたい。

県大会に出場し、少しでも長くチームのみんなと練習に打ち込みたい。

…と、そればかり考えてきました。

そのためには自分ではなく、記録の伸びている俊介を6区に持ってくるのが妥当だろう。

それなのに何故、上原先生はここまで自分をアンカーにしたがるのか?

陸上の経験はなく、ひょうひょうとしていて顧問としても頼りない上原先生でしたが、桝井をアンカーにすることだけは譲りません。

「桝井君さ、自分の深さ3センチのところで勝負してるんだよ。だから、さわやかに見える。それだけしか開放しないで、生きていけるわけないのにね」 

もうすぐ本番を迎える大事な場面で、駅伝とは無関係な話をされていると感じる桝井。

上原先生が、ここで桝井に伝えたいことは何なのか?

上原先生の思いは、果たして桝井に伝わるのでしょうか?

そして、市野中学は県大会に出場することが出来るのでしょうか?

 

主な登場人物

 

桝井日向(ますい ひなた)

全校生徒が150人ほどの市野中学に通う3年生。陸上部の部長。

市野中学では1年生のときから駅伝を走ってきた。

3年生になり、今年最後の駅伝では上位に入り県大会へ出場したいと考えているが、体がこれまでのように思うように動かず、調子の悪さを感じている。

 

設楽亀吉(したら かめきち)

桝井と同じ小学校出身。市野中学3年生。

小学校6年生のときの駅伝大会で、大会1か月前に出場人数が足りなくなったため、急きょ走ることになったが、その大会では区間賞をとり周りを驚かせた。

そのとき一緒に走った桝井に声をかけられ、市野中学陸上部に入部。

 

大田(おおた)

桝井・設楽と同じ小学校出身の市野中学3年生。

自分には出来そうにないと感じると、それが表に出る前に投げ出してしまう性格。

小学校のときの駅伝では桝井とともに選手に選ばれていたが、大会まで1カ月を切った頃、足を捻挫してしまう。

このとき周囲には本当のことを告げず、投げ出すような形で走るのをやめてしまった。

中学ではバスケ部からバレー部へと転部。

髪は金色に染め、学ランにはタバコの匂い。

その風貌もあり周囲からは恐れられている。

 

仲田真二郎 (なかた しんじろう)

市野中学のバスケ部部長の3年生。

生徒会の書記も務めていて、周りからはジローと呼ばれている。

「頼まれたら断るな」という母親の教えのもとに育ったため、小学生の頃から人にものを頼まれることが多い。

メンバーの人数が足りない市野中学の駅伝チームに断り切れず参加することになったが、以前から苦手に感じていた渡部も同じ駅伝チームにいるとわかり、動揺している。

 

渡部孝一(わたべ こういち)

市野中学吹奏楽部の3年生。

本当は世話好きな一面を持つが、人に踏み込まれるのを嫌い、祖母と2人暮らしという家庭環境についても学校では表に出さないようにしている。

桝井や俊介、上原先生に説得され、駅伝チームに参加することになった。

駅伝の練習に参加し、素直な性格の俊介と関わるうち、少しずつ心を開いていく。

 

俊介(しゅんすけ)

市野中学の2年生。

もともとはバスケ部に入部する予定だったが、親友に誘われ陸上部の見学に行ったところ、1学年上の桝井の走りに目を奪われた。

その後陸上部に入部し、2年生では唯一の駅伝チームメンバーとなった。

3年生になってから記録のなかなか伸びない桝井を支え、渡部を駅伝メンバーに勧誘する際には力となった。

 

上原先生(うえはらせんせい)

20代後半の女性の美術教師。

市野中学陸上部をこれまで率いていた体育教師の満田先生の異動に伴い、今年から陸上部の顧問となる。

陸上のことがわからないため、これまで満田先生の指導を受けてきた生徒の中には不満を漏らすものも。

駅伝についても同様だが、他の中学の先生に教えてもらいながら顧問として少しずつ成長している。

 

感想 

自分のことは後回しに、チームのみんなのことをよく考えている桝井くん。

今年はじめて陸上部の顧問になった頼りない印象の上原先生よりも、一見するとしっかりしているように見えます。

チームのみんなも、そして顧問の上原先生もそんな桝井くんに助けられ、頼りにしていますが…。

自分自身が辛いときでさえ、それを隠し、表に出そうとしない桝井くんに、上原先生はちゃんと気づいていました。

そして彼だけでなく、大田くん、渡部くんなどそれぞれの生徒に対して上原先生が時折放つ、教師としての鋭い言葉。

これらの言葉は生徒のことをよく観ているからこそ発することの出来る言葉であり、だからこそ生徒にも先生の思いが伝わるのだと感じます。

性格も走りもバラバラの生徒たちが集まって結成された駅伝チームですが、練習を重ね、時間をともに過ごすうちに1つにまとまっていきます。

桝井くん1人の力でもなく、上原先生1人の力でもない。

市野中学の駅伝チームは、誰かの気持ちが折れそうになったとき、すかさず誰かが手を差し伸べる…自然にそういうチームになっていました。

先生や家族をはじめチームメートの仲間は、自分が思っている以上に自分のことを考えてくれているのではないか、理解してくれているのではないか。

自分は1人のようでも、決して1人ではない。

『あと少し、もう少し』は、読んでいて温かい気持ちになる小説です。

 

まとめ

今回は、瀬尾まいこさんおすすめの小説『あと少し、もう少し』を紹介しました。

登場人物1人1人に愛情を注ぎ、彼らを温かく見守っている…そんな印象の瀬尾まいこさんの小説。

生徒たちがお互いに刺激を受けながら成長していく様子が描かれており、中学生・高校生の読書感想文の本としてもぴったりです。

ゆったりと過ごす読書の時間にもぜひどうぞ。

あと少し、もう少し (新潮文庫)

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