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タロとジロ【読書感想文におすすめの本】

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昭和31年。

南極観測船『宗谷』が日本を出発するとき、南極に犬たちだけを残して来なければならなくなるなんて誰が想像したでしょう。

やむにやまれぬ事情があったとはいえ、それは南極で1年を共に過ごしてきた第1次越冬隊の隊員たちにとって、とてもつらい選択でした。

絶対にもう1度南極に行く。

それから1年後、犬たちの世話係だった北村さんが、強い思いを胸に第3次南極観測隊のメンバーとして再び南極へ向かいます。

そこで北村さんが目にした光景とは…。

 

今回は小学生の読書感想文の本にもおすすめしたい、本当にあった感動の物語『タロとジロ 南極で生きぬいた犬 』を紹介したいと思います。

 

 

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『タロとジロ 南極で生きぬいた犬』のあらすじ

1956年(昭和31年)11月8日。

南極観測隊員53名、乗組員77名らを乗せた南極観測船『宗谷(そうや)』は、応援する日本国民みんなの思いも乗せ、大勢の人たちに見送られながら東京の晴海ふ頭を出発しました。

これから2か月以上の時間をかけ、南極大陸を目指すのです。

『宗谷』には、北海道の稚内の訓練所で訓練を受けてきたカラフト犬22頭も乗っていました。

マイナス30度の気温でも外にいられるという寒さに強いカラフト犬は、大変辛抱強い性格で、樺太では自動車や鉄道がない頃には犬ぞりをひく『はたらき犬』として暮らしてきました。

南極に昭和基地を作るための荷物の運搬。

雪の上を走る頑丈な雪上車はこのときすでにあったものの、技術的に今ほど発達していませんでした。

きっと犬ぞりも必要になるに違いない。

そう考え、カラフト犬たちも南極観測船に乗ることが決まったのです。

犬たちを世話する係になったのは、地質学者の菊地徹さん。

それからもう1人、オーロラの研究者である北村泰一さん。

2人は犬ぞりのドライバーとしての訓練を受け、いよいよ南極での生活がはじまりました。

 

犬たちにそりをひかせるためには、組み合わせを考えなくてはいけません。

先頭を走る犬をどの犬にするか、どのような並びに犬を配置するか。

それから犬ぞりを引くときに使う、犬たちに命令するための言葉が犬たちに伝わらないといけないのです。

犬たちの体調も管理しながら、試行錯誤を続ける2人。

年齢や性格、体力や経験、それにそのときの体調を考慮しながら、出番のたびにその都度犬ぞりの編成を考えました。

 

昭和基地の建設に、未知の土地の探検、気象や地質を調べながら過ごす1年間。

第1次越冬隊が南極で過ごす1年間は初めてのことばかりで、失敗や苦労も多く、犬たちの中にはケガをする犬、行方がわからなくなってしまった犬、息を引き取る犬もいましたが、それだけではありませんでした。

8匹の新たな命も誕生したのです。

日に日に成長する子犬たちの成長は楽しみでしたが、この頃、第2次越冬隊員たちを乗せた宗谷はすでに日本を出発していました。

第1次越冬隊の隊員が、宗谷で日本を出発してから1年。 

第2次越冬隊を昭和基地に迎える日が近づいていました。

…ところが宗谷は昭和基地まであと少しというところで、厚い氷にはばまれてひと月も身動きが出来ない状態に陥ります。

氷を割りながら進むことの出来るアメリカの船、バートンアイランド号の力を借りましたが、その力を借りてさえも昭和基地に近づけないほど、氷の状態は悪くなったのです。

事態はここで急変します。

「最悪の場合は第1次越冬隊員の救出だけを行い、第2次の越冬は諦める。」

宗谷にいる南極観測隊隊長からの命令でした。

 

第2次越冬隊は果たして無事に昭和基地に辿り着けるのでしょうか。

そしてカラフト犬の運命は…。

 

 

主な登場人物

 

菊地徹(きくち とおる) 

地質学の学者。

南極観測隊の中から選ばれた11人の第1次越冬隊員の1人。

越冬隊では、北村泰一とともに犬たちの世話をする係となった。 

 

北村泰一(きたむらたいいち)

オーロラの研究者。

南極観測隊の中から選ばれた11人の第1次越冬隊員の1人。

越冬隊では、菊地徹とともに犬たちの世話をする係となった。 

第3次南極観測隊の隊員でもある。

 

西掘栄三郎(にしぼりえいざぶろう) 

南極観測隊の副隊長。

第1次越冬隊では隊長となった。

 

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感想

南極という極地に昭和基地を建設し、1年間様々な観測や調査を行ってきた第1次南極越冬隊の11人が日本に帰って来たとき、その功績をたたえる前に残された犬たちのことを思い、彼らのことを非難する人たちが多くいたそうです。

どのような過酷な状況でこの選択をしなければならなかったのか、またこの選択をすることがどんなに辛いことだったか。

カラフト犬たちは、南極という厳しい寒さの中でともに戦い、過ごしてきた仲間たち。

一番つらかったのは他ならぬこの11人の越冬隊員だったのではないか…そう思います。

この話を知り、テレビや新聞で知ることのできる情報というのは一部分。

その裏側も見ようとする姿勢は必要だと感じました。

報道の仕方により、同じ出来事でも好意的に受け取られることもあれば、悪く受け取られることもあります。

情報に惑わされることなく、様々な角度から物事を見て判断できるような人にならなくてはいけない、そう思いました。

 

まとめ

今回は小学生の読書感想文におすすめの本、『タロとジロ ~南極で生きぬいた犬~』を紹介しました。

タロとジロ 南極で生きぬいた犬 (講談社青い鳥文庫)

タロとジロ 南極で生きぬいた犬 (講談社青い鳥文庫)

 

タロとジロの話は、『南極物語 』というタイトルで1983年に映画化されました。

高倉健さん・渡瀬恒彦さん・荻野目慶子さん・夏目雅子さんなどが出演されています。

またタロとジロに関する書籍の中には、越冬隊で犬たちの世話係となった北村泰一さんご本人の書かれた書籍もあります。

お子さんが読書している傍らで、お父さん・お母さんも一緒に読まれてみてはいかがでしょう。

南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫)

南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫)

 

 

南極についてもっと知りたい

南極についてもっと知りたい!

…という方には、東京立川市にある国立極地研究所 南極・北極科学館がおすすめです。

この施設には、物語にも登場した南極観測隊が実際に使用していた雪上車が展示されているほか、オーロラシアターでは南極や北極圏で撮影されたオーロラの映像を観ることも出来ます。

東京タワーの鉄塔の足もとにあったタロとジロを含む15頭のカラフト犬の像も現在はこの施設にうつされています。

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より南極について知りたいという方におすすめです。

国立極地研究所 南極・北極科学館について、詳しくはこちらの記事の中で紹介しています。

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