小学生・中学生のみなさんにとっては、国語の授業で勉強するだけでなく、夏休みや冬休みの宿題として出されることも多い短歌。
今回は短歌を作るうえで知っておきたい、短歌の形式や表現技法について勉強したいと思います。
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短歌の形式
短歌は、五・七・五・七・七の五句三十一音からできている定型詩です。
はじめの「五・七・五 」の部分を上の句、それに続く「七・七」の部分を下の句と
よびます。
短歌は五句三十一音からなるものが基本ですが、破調(はちょう)といって、「五・七・五・七・七」のリズムに当てはまらない短歌もあります。
この場合、決まった音の数より多いものを字余り(じあまり)、決まった音の数より少ないものを字足らず(じたらず)といいます。
字余りの短歌は三十一音よりも多く、字足らずの短歌は三十一音よりも少なくなります。
句切れとは?
短歌の歌の中で意味や調子が切れるところを句切れといいます。
句切れには、作者の感動の中心があることが多いので感動をとらえながらよむといいでしょう。
国語の短歌に関するテストでは、句切れの場所を問われることが多いです。
次のように句切れの場所により、「初句切れ」、「二句切れ」、「三句切れ」、「四句切れ」、「句切れなし」のように答えます。
〈初句切れ〉 五 / 七 五 七 七
〈二句切れ〉 五 七 / 五 七 七
〈三句切れ〉 五 七 五 / 七 七
〈四句切れ〉 五 七 五 七 / 七
〈句切れなし〉 句切れのないもの
句切れの数は短歌により異なります。
句切れの問題で難しいのは、句切れのないものもあれば、1つだけでなくいくつかあるものもある点です。
句切れの探し方のポイントは、意味の切れ目やリズムの切れ目を探すこと。
句点(。)がつけられそうな場所を探します。
短歌の表現技法
短歌の表現技法には次のようなものがあります。
枕詞(まくらことば)
昔の歌によく見られる表現技法。
言葉自体に特に意味があるわけではありませんが、決まった言葉の上についてその言葉を修飾したり調子を整える言葉です。
母という言葉にかかる「たらちねの」、神という言葉にかかる「ちはやふる」、山という言葉にかかる「あしひきの」、光という言葉にかかる「ひさかたの」、奈良という言葉にかかる「あおによし」などがあります。
掛詞(かけことば)
1つの言葉に、同じ発音で意味の異なる2つの意味を持たせる表現技法。
体言止め(たいげんどめ)
歌の終わりを体言(名詞)で終わらせることで、余韻を残す表現技法。
昔から人々に親しまれている百人一首の中にも体言止めが使われている歌(太字の部分)があります。
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 (蝉丸)
倒置(とうち)
俳句でも見られる表現技法。
印象を強めたり、意味を強めたりするために、言葉の語順を普通の言葉の語順とは逆にする技法のことをいいます。
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比喩(ひゆ)
あるものを他のものに例えて表現する技法。
比喩には、直喩(ちょくゆ)・隠喩(いんゆ)・擬人法(ぎじんほう)といった表現技法があります。
直喩(ちょくゆ)……「~のように」「~のような」といった言葉を使って例える技法。
隠喩(いんゆ)……直喩でみられる「~のように」といった言葉を用いることなく、他のものに例える技法。
擬人法(ぎじんほう)……人以外のものを人であるかのように例えて表現する技法。
擬人法を用いた歌には、山桜に対しあたかも人間のように呼びかけている次の歌があります。
もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし(前大僧正行尊)
対句(ついく)
「波の音」「風の音」、「君のふるさと」「僕のふるさと」のように、言葉の構成が類似している語句を並べることでリズム感を出し、印象を強める表現技法。
反復(はんぷく)
同じ言葉を繰り返し用いることで、印象を強める表現技法。
言葉の構成が類似している語句を並べる対句とは間違えやすいので、違いに注意しましょう。
まとめ
今回は国語の時間に学ぶ、短歌の形式や表現技法について勉強しました。
短歌を作る際には、参考にしてみるといいですね。
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