「おねえちゃんなんか、だいきらい」
いばりんぼうで食いしん坊でケチで嘘つきなおねえちゃん。
おねえちゃんに対する不満がたまっていたサキに魔女が20円で売ったのは『のろいアメ』という、聞いたことのないアメでした。
誰かの悪口を10個言いながら混ぜるとできるそのアメは、食べた人を気絶させてしまうほどまずいアメ。
魔女と別れたサキは、おねえちゃんの悪口を言いながらアメをかき混ぜはじめます。
今回は、2019年の第65回青少年読書感想文全国コンクール、小学校低学年の課題図書にも選ばれた読書感想文におすすめの本、『魔女ののろいアメ 』(草野あきこ 作)を紹介したいと思います。
『魔女ののろいアメ』のあらすじ
「おねえちゃんなんか、だいきらい」
そう思いながら図書館にむかうサキのバッグに入っているのはたくさんの本。
サキがかりた5冊に、おねえちゃんがかりた10冊の本。
「自分で返す」と言っていたはずのおねえちゃんが遊びに行ったまま帰ってこないので、お母さんはサキにおねえちゃんの本もいっしょに返すように言ったのです。
たくさんの本が入っていて、肩が痛くなるほど重くてたまらないバッグ。
サキのおねえちゃんに対する不満はたまっていきました。
カラスの鳴き声にふと顔をあげると、目の前にあったのは『アメ屋』と書かれた小さな屋台。
「おじょうちゃん、アメいらないかい?」
黒いぼうしをかぶり、メガネをかけたおばあさんがサキを手招きしながら言いました。
いちご味にグレープ味、ソーダ味…きれいな色の紙に包まれたアメをサキがながめていると、あばあさんは屋台の裏か何かを出してきました。
実は魔女だというおばあさんがサキに渡したのは、丸い小さなビン。
中にはのりのようなものと、白い細い棒が1本入っています。
「このアメは『のろいアメ』と言って、だれかの悪口を10個言いながら混ぜるとだんだん固くなってアメになるんだ。」
「完成したのろいアメは、苦くてからくてすっぱくて、これを食べた人はあまりのまずさに気絶してしまう。1日、目が覚めないんだよ。」
「おねえちゃんの悪口を言いながらアメを作って、出来たのろいアメをおねえちゃんに食べさせるといい。」
魔女のおばあさんと別れたサキは、おねえちゃんのことを思い出しながらアメをかきまぜはじめます。
いばりんぼうで食いしん坊で嘘つきなおねえちゃん。
サキの作ったのろいアメで、おねえちゃんは一体どうなってしまうのでしょう?
スポンサードリンク
主な登場人物
サキ
いばりんぼうでずるくて食いしん坊で嘘つきなおねえちゃんに不満を持つ女の子。
図書館に行く途中、魔女から20円ののろいアメを買うことになった。
魔女のおばあさん
小さな屋台でアメ屋さんをしている。
おねえちゃんに不満を持っているサキにのろいアメを売り、その様子をカラスに見張らせて今後の研究に役立てようとしている。
感想
ずるくていじわるなおねえちゃん。
おねえちゃんの悪口なら20個でも30個でも言えると思っていたサキでしたが、のろいアメを作りはじめると、思い出すのはおねえちゃんの悪いところばかりではありませんでした。
サキがクラスの男の子にからかわれていたときにはその男の子を怒ってくれたり、サキが熱を出したときには大事な指輪をくれたことも。
魔女から買ったのろいアメ。
はじめはおねえちゃんの悪いところにしか目が行かなかったサキも、アメを混ぜているうちに次第におねえちゃんのいいところに気がつき始めます。
おねえちゃんにも優しいところがあったんだ。
いつも近くにいるからケンカもするし、嫌いなところもたくさん知っている。
けれど、こんな風にいいところにも気がつくようになると、姉妹の関係にこれまでとは違った変化が出てくるかもしれませんね。
『魔女ののろいアメ』は小学校低学年の課題図書にも選ばれている本なので、文字は大きめ。
挿絵が多く、漢字にはふりがなが振ってあるので、絵本の次の段階としてお子さんが自分で読む本にはぴったりだと思います。
ただ、普段読書をする習慣のないお子さんの場合、お子さんがたった1人で読むとなると、少しフォローが必要かなという感じもします。
物語自体は飽きることなくお子さんの興味を引く内容なので、親子で交代で読む、自分で読むのに疲れてきたら途中からは読み聞かせをしてあげるなどすると、最後まで読みきれるのではないかと思います。
宿題で読書感想文を書くときには、自分に置き換えて書くと書きやすいのではないでしょうか。
まとめ
今回は小学生の読書感想文におすすめの本、草野あきこさんの『魔女ののろいアメ 』を紹介しました。
本は読み終わったものの、読書感想文の書き出しに悩むお子さんも多いと思います。
読書感想文の書き方に困ったときには、このような本を参考にしてみるのもいいですね。
スポンサーリンク
2019年小学校低学年の課題図書、『スタンリーとちいさな火星人』はこちらをどうぞ。
小学生の読書感想文におすすめの本をまとめました。
自由研究の宿題の参考にどうぞ。
夏休みのお出かけスポットを紹介しています。
夏休みの思い出、フォトブックにまとめてみてはいかがでしょう?