小学生・中学生の勉強

算数・数学・国語を中心に小学生・中学生の勉強や夏休みの宿題・おすすめの本について書いています。

【通分と約分】やり方と問題

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「通分って何?」「約分って何?」
分数の計算をするときに使う、通分と約分ですが、初めて耳にしたときには聞き慣れない言葉にとまどうお子さんもいらっしゃると思います。

今回は小学5年生の算数で勉強する通分の仕方と約分の仕方、そして通分と約分に関する問題のとき方について勉強したいと思います。

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通分とは?

分母の数が違っている分数どうしはそのままでは足し算や引き算ができません。
このようなとき、計算しやすいように分母の数をそろえることを通分すると言います。
そのままでは計算できない分数の足し算や引き算も、分母の数をそろえることで計算ができるようになります。

通分のやり方

例題①

{\displaystyle\frac{1}{3}}{\displaystyle\frac{3}{4}}を通分しましょう。

{\displaystyle\frac{1}{3}}{\displaystyle\frac{3}{4}}の分母はそれぞれ3と4。

このままでは分母の数がバラバラですが、通分するときには分母の数をそろえます。
そのときに使うのは最小公倍数。
3と4の最小公倍数(3と4に共通する倍数のうちで一番小さいもの)である12を分母にします。

{\displaystyle\frac{1}{3}}の分母を12にするときには、分母に4をかけたので同じ数を分子にもかけます。

{\displaystyle\frac{1}{3}}{\displaystyle\frac{1×4}{3×4}}{\displaystyle\frac{4}{12}}

{\displaystyle\frac{3}{4}}の分母を12にするときには、分母に3をかけるので同じ数を分子にもかけます。

{\displaystyle\frac{3}{4}}{\displaystyle\frac{3×3}{4×3}}{\displaystyle\frac{9}{12}}


答え {\displaystyle\frac{4}{12}}{\displaystyle\frac{9}{12}}



例題②

{\displaystyle\frac{1}{2}}{\displaystyle\frac{2}{3}}{\displaystyle\frac{5}{6}}を通分しましょう。

3つの分数の通分をする問題です。
先ほどの問題と比べると難しそうに見えますが、3つの分数になっても通分のやり方は変わりません。
分母を共通する最小公倍数にし、そのとき分母にかけた数を分子にも同じようにかけます。
この場合は分母が2,3,6なので、最小公倍数は6。

{\displaystyle\frac{1}{2}}{\displaystyle\frac{1×3}{2×3}}{\displaystyle\frac{3}{6}}

{\displaystyle\frac{2}{3}}{\displaystyle\frac{2×2}{3×2}}{\displaystyle\frac{4}{6}}

{\displaystyle\frac{5}{6}}は、もともと分母が最小公倍数である6なのでそのまま。


答え {\displaystyle\frac{3}{6}}{\displaystyle\frac{4}{6}}{\displaystyle\frac{5}{6}}



約分とは?

分数の分母と分子を同じ数で割ることができるときには、最大公約数で割って分母の数が小さな分数にします。
このことを約分すると言います。
分数の足し算や引き算、かけ算や割り算などの計算をしたあとは、ふつうは約分できるところまで約分してから答えを書きます。

約分のやり方

例題①

{\displaystyle\frac{3}{18}}を約分しましょう。


{\displaystyle\frac{3}{18}}の分母・分子の最大公約数は3。

分母と分子を最大公約数の3で割ると

{\displaystyle\frac{3}{18}}{\displaystyle\frac{3÷3}{18÷3}}{\displaystyle\frac{1}{6}}


答え {\displaystyle\frac{1}{6}}




例題②

{\displaystyle\frac{25}{125}}を約分しましょう。


{\displaystyle\frac{25}{125}}は分子・分母の最大公約数である25で、分母・分子ともに割ることが出来ます。

よって{\displaystyle\frac{25}{125}}{\displaystyle\frac{25÷25}{125÷25}}{\displaystyle\frac{1}{5}}


答え {\displaystyle\frac{1}{5}}


通分と約分の問題

通分と約分の仕方がわかったところで問題を解いていきたいと思います。

問題①

次の分数を通分しましょう。
{\displaystyle\frac{3}{5}}{\displaystyle\frac{2}{7}}

{\displaystyle\frac{3}{5}}{\displaystyle\frac{2}{7}}の分母の数は5と7。

5と7の最小公倍数は35なので、分母が35になるよう、それぞれの分子と分母に同じ数をかけます。

{\displaystyle\frac{3}{5}}{\displaystyle\frac{3×7}{5×7}}{\displaystyle\frac{21}{35}}

{\displaystyle\frac{2}{7}}{\displaystyle\frac{2×5}{7×5}}{\displaystyle\frac{10}{35}}


答え {\displaystyle\frac{21}{35}}{\displaystyle\frac{10}{35}}


問題②

次の分数を通分しましょう。
{\displaystyle\frac{3}{4}}{\displaystyle\frac{2}{9}}{\displaystyle\frac{7}{12}}


{\displaystyle\frac{3}{4}}{\displaystyle\frac{2}{9}}{\displaystyle\frac{7}{12}}の分母の数は4,9,12。

4,9,12の最小公倍数は36なので、分母が36になるよう、それぞれの分子と分母に同じ数をかけます。

{\displaystyle\frac{3}{4}}{\displaystyle\frac{3×9}{4×9}}{\displaystyle\frac{27}{36}}

{\displaystyle\frac{2}{9}}{\displaystyle\frac{2×4}{9×4}}{\displaystyle\frac{8}{36}}

{\displaystyle\frac{7}{12}}{\displaystyle\frac{7×3}{12×3}}{\displaystyle\frac{21}{36}}


答え {\displaystyle\frac{27}{36}}{\displaystyle\frac{8}{36}}{\displaystyle\frac{21}{36}}


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問題③

次の分数の大小を不等号で表しましょう。
{\displaystyle\frac{7}{5}}{\displaystyle\frac{5}{6}}{\displaystyle\frac{9}{10}}

分数の大きさを比べるときには、分母が同じになるように通分をしてから比べます。
この3つの分数の分母の数は5,6,10なので、最小公倍数である30に分母をそろえます。

{\displaystyle\frac{7}{5}}{\displaystyle\frac{7×6}{5×6}}{\displaystyle\frac{42}{30}}

{\displaystyle\frac{5}{6}}{\displaystyle\frac{5×5}{6×5}}{\displaystyle\frac{25}{30}}

{\displaystyle\frac{9}{10}}{\displaystyle\frac{9×3}{10×3}}{\displaystyle\frac{27}{30}}

よって
{\displaystyle\frac{5}{6}}{\displaystyle\frac{9}{10}}{\displaystyle\frac{7}{5}}となります。


答え {\displaystyle\frac{5}{6}}{\displaystyle\frac{9}{10}}{\displaystyle\frac{7}{5}}


問題④

次の分数を約分しましょう。
(1){\displaystyle\frac{6}{16}} (2){\displaystyle\frac{36}{48}} (3){\displaystyle\frac{30}{75}}


(1)約分するときには、分母と分子の最大公約数で分母と分子を割ります。

{\displaystyle\frac{6}{16}}の最大公約数は2なので

{\displaystyle\frac{6}{16}}{\displaystyle\frac{6÷2}{16÷2}}{\displaystyle\frac{3}{8}}


答え {\displaystyle\frac{3}{8}}



(2){\displaystyle\frac{36}{48}}の分子・分母の最大公約数は12。

最大公約数の12で分子・分母を割ると

{\displaystyle\frac{36}{48}}{\displaystyle\frac{36÷12}{48÷12}}{\displaystyle\frac{3}{4}}


答え {\displaystyle\frac{3}{4}}



(3){\displaystyle\frac{30}{75}}の分子・分母の最大公約数は15。

最大公約数の15で分子・分母を割ると

{\displaystyle\frac{30}{75}}{\displaystyle\frac{30÷15}{75÷15}}{\displaystyle\frac{2}{5}}


答え {\displaystyle\frac{2}{5}}


問題⑤

次の足し算をしましょう。
(1){\displaystyle\frac{1}{4}}+{\displaystyle\frac{3}{8}} (2){\displaystyle\frac{2}{3}}+{\displaystyle\frac{1}{5}}+{\displaystyle\frac{1}{6}}

分母の違う分数の足し算の問題です。
(詳しくは⇒【分数の足し算】やり方と問題
分母が違う分数の足し算をするときには、はじめに通分をして分母の数を同じ数にします。

(1)分母の数が違うので、通分して4と8の最小公倍数である8を分母にします。

{\displaystyle\frac{1}{4}}+{\displaystyle\frac{3}{8}}{\displaystyle\frac{1×2}{4×2}}+{\displaystyle\frac{3}{8}}{\displaystyle\frac{2}{8}}+{\displaystyle\frac{3}{8}}{\displaystyle\frac{5}{8}}


(2)3つの分数の足し算の問題です。
分母の数がそれぞれ違いますので、3つの分数の分母をまずは通分してから計算をします。
3と5と6の最小公倍数である30を分母にします。

{\displaystyle\frac{2}{3}}+{\displaystyle\frac{1}{5}}+{\displaystyle\frac{1}{6}}{\displaystyle\frac{2×10}{3×10}}+{\displaystyle\frac{1×6}{5×6}}+{\displaystyle\frac{1×5}{6×5}}{\displaystyle\frac{20}{30}}+{\displaystyle\frac{6}{30}}+{\displaystyle\frac{5}{30}}{\displaystyle\frac{31}{30}}


答え (1){\displaystyle\frac{5}{8}} (2){\displaystyle\frac{31}{30}}

~分数の計算に関する記事~
【分数の足し算】やり方と問題
【分数の引き算】やり方と問題
【分数の掛け算】やり方と問題
【分数の割り算】やり方と問題
分数の計算のやり方【一覧】
【分数】足し算・引き算・掛け算・割り算の混ざった計算問題
【分数の種類】帯分数・仮分数・真分数ってなに?
分数を小数に変換するには?直し方と問題練習





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