セミの鳴き声が聞こえるようになると、子供たちの夏休みも近いですね。
夏休みと言えば理科の自由研究。
どんなテーマにしようかと悩むお子さんも多い宿題です。
今回は、夏休みの自由研究にもおすすめのセミの羽化(うか)の観察やセミの種類等について書いてみようと思います。
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セミにはどんな種類があるの?
セミの種類
ひとことでセミと言っても、セミの仲間には、クマゼミ・エゾゼミ・ニイニイゼミ・アブラゼミ・ミンミンゼミ・ヒグラシ・ツクツクボウシ・クロイワゼミ・チッチゼミ・イワサキクサゼミなど30種類以上の仲間がいます。
セミの種類によって、鳴く時期や見かける場所は異なります。
例えば、日本で見かけるセミの中では一番小さなイワサキクサゼミ。
体長15~25mmほどのセミですが、このイワサキクサゼミは沖縄に生息し、4月~7月頃に主に見られます。
セミというと夏のイメージがありますが、夏よりももっと早い時期から見られるセミもいるんですね。
イワサキクサゼミの他に、ハルゼミも4月~6月頃に見られます。
セミの鳴き声を比べてみよう
以前、夏休みに四国地方に出かけた際、はじめてクマゼミの鳴き声を聞きました。
シャーシャーシャーシャーシャーシャーシャーシャー
車を降りるなり、今まで聞いたことのない大音量に驚きました。
セミって、種類によって鳴き声が全然違うんですね。
そんなセミの鳴き声の違いを比べてみたくなり、いろいろ調べてみたところ、セミの鳴き声を比較できるサイトを見つけることが出来ましたので紹介させていただきます。
普段聞き慣れたセミの鳴き声から、初めて聞く鳴き声まで。
暑さを感じる鳴き声だけでなく、エゾハルゼミのように心地いい鳴き声もあります。
クマゼミの生息域に変化?
先ほどの話にも出てきたクマゼミ。
クマゼミは四国・九州・沖縄で多く見られるセミとして知られています。
もともと本州ではあまり見かけないセミでしたが、このクマゼミの生息域に変化が出ているという話は耳にしたことがありませんか?
2010年度の株式会社ウェザーニュースの調査によると、クマゼミの生息域の北限は福島県福島市とあり、その生息域はさらに北上する可能性もあるとのこと。
2010年度「全国セミ調査」結果発表。クマゼミの生息域は更に北上の可能性も。/2010.09.07
大阪市や名古屋市など一部の都市では、こちらのニュースにもあるように、近年耳にするセミの鳴き声に変化が出ているとのことで、このような地域はもしかすると今後増えていくかもしれませんね。
セミの羽化を観察しよう
ここからは、セミの羽化についてお話します。
セミは卵⇒幼虫⇒成虫と、成長していく過程で蛹になることのない不完全変態の昆虫です。
ちなみに以前こちらの記事で紹介した蚕は、どうでしょう。
蚕の幼虫は、糸を吐き繭を作った後、繭の中で蛹になるので完全変態です。
(完全変態の昆虫には他にカブトムシや蝶などが、不完全変態の昆虫にはカマキリやバッタなどがいます。)
セミの幼虫が成虫になる際にはこのように蛹になることがなく、脱皮をし、ゆっくりと時間をかけて羽を広げ、成虫へと変わっていきます。
セミの羽化の観察では、幼虫から成虫へと変化するこの部分の観察を行います。
セミの幼虫ってどこにいるの?
セミの羽化する様子を観察するためには、まずセミの幼虫探しからはじめなくてないけません。
わが家では子供が夏休みになると、毎年セミの幼虫の観察に出掛けていますが、セミの幼虫が見つかりやすいおすすめの場所が実はあります。
それは、学校の校庭や公園。
学校の校庭や公園にはたいてい桜の木が植えられていますが、ここはアブラゼミの好きな場所。
夏になりアブラゼミの鳴き声が聞こえるようになったら、桜の木のある公園や校庭を歩いてみると、桜の木の根元に直径2~3cmくらいの小さい穴が開いていることがあります。
実はこの穴がアブラゼミの幼虫の出てきた穴(もしくはこれから出ようと、この穴の中で待機していることもあります)なんですね。
桜の木周辺ではアブラゼミだけでなく、ミンミンゼミの幼虫が見つかったこともあります。
また公園でも、雑木林があるような場所ではニイニイゼミの抜け殻を見つけることがあります。
このようなことから、セミの幼虫を探す場合はこういった場所を探すのがおすすめです。
セミの幼虫が出てくる時間帯
セミの幼虫が土の中から出てくるのは、夕方から夜にかけて辺りが薄暗くなる時間帯。
午後7時~8時頃、懐中電灯で桜の木の周辺をよく照らしてみると、穴から出て地面を歩いているセミの幼虫が見つかることがあります。
明るい時間に地中から出てきてしまうと、地面を歩いている間に鳥におそわれる危険性が高く危険なんですね。
以前、あと30分程待てば暗くなるという時間に穴から出てきて歩いていたセミの幼虫が、鳥にさらわれていくところを偶然見てしまいました。
セミの幼虫が地中から出て木に登り羽化するまでの間には、このように上から狙ってくる鳥以外にもアリの集団などからも身を守らなければならず、危険と隣り合わせだということがわかります。
また何度も観察に行くうちに、羽化している最中にも危険があることを知りました。
生きものはもちろんですが、強風により落下してしまうことや、突然の雨で羽が濡れてしまい、その後うまく羽が開けないなど、セミの幼虫が羽化するまでというのは私たちが思う以上に大変なことのようです。
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用意するもの
自宅でセミの羽化するようすを観察する場合には、大きめの飼育ケースを用意し、羽化の際にセミの幼虫がつかまることのできる木を入れます。
飼育ケースや、飼育ケースに入れる適当な大きさの木が見つからない場合には、セミの幼虫がつかまりやすい木であれば自宅にある観葉植物でも大丈夫です。
まれに、用意した木になかなか登らないことや、登ってもなかなか羽化をはじめないことがあります。
このような場合には木を変えてみると上手くいくことがありますので、いつまで経っても羽化する様子が見られないときには、他の木に変えてみるといいと思います。
例えば、この木はわが家の観葉植物エバーフレッシュですが、セミの幼虫が登っている様子を見ると桜の木と比べて少し登りにくそうでした。
途中で落下すると危険なので途中で木を変えましたが、木を選ぶ際にはこのようにセミの幼虫の様子を見ながら登りやすそうな木を選んであげるといいですね。
セミが羽化をはじめたら
セミの幼虫が木に登り、動きを止め羽化の準備をはじめたら、部屋の電気を消して暗くします。
幼虫は、ゆっくりと殻を破り、外へ出てから時間をかけ羽を広げ始めます。
殻から出てきたばかりのセミの羽はやわらかいため、うっかり触れてしまうと傷つけたり、また誤って木から落としてしまうとセミの姿になったにも関わらず飛べなくなってしまう恐れがあります。
セミが羽化をはじめたら、静かにそっと見守るようにしましょう。
セミの抜け殻も観察してみよう
セミの羽化する様子を観察した後は、セミの抜け殻を観察してみるのもおすすめです。
セミの抜け殻はセミごとに特徴があるので、抜け殻を集めて比較してみると面白いものです。
神奈川県横浜市にあるこどもの国では、毎年8月にセミの抜け殻調査を行っています。
その結果を見てみると、このこどもの国周辺では毎年アブラゼミの抜け殻が多く見つかっているようです。
このように抜け殻を調べてみると、その地域ではどのセミが多く生息しているのかがわかります。
皆さんの地域ではいかがでしょうか?
抜け殻の見分け方についてはこどもの国のホームページに詳しく出ていますので、参考にしてくださいね。
セミについてもっと知りたい
セミについてもっと知りたい、そんなときにおすすめのセミに関する書籍を紹介します。
セミの一生が絵本のように写真つきで紹介されている『みいつけた!』
この本には、実際にはなかなか見ることの出来ないセミの卵や、生まれたてのセミの幼虫の写真が出てきます。
セミの種類や、オスとメスの見分け方も出ていて、漢字には丁寧にふりがながついています。
小学1年生からでも読みやすい本です。
セミはどのようにして土の中から出てくるのか、掘り出した土はどこへ消えたのか?
そんな疑問の答えが出ている、このファーブル昆虫記。
先ほど紹介した『みいつけた!』と比べると活字が多いので、自分で読むなら中学年以上のお子さん向けの本です。
まとめ
今回は、小学生の夏休みの自由研究におすすめのセミの羽化について書いてみました。
時間のある夏休みに、ご家族でぜひ一度観察されてみてはいかがでしょう。
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